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 『ノーベル賞で考えさせられること』

2010/10/08(Fri)

生まれてこのかた、

『ノーベル賞が欲しい。』

などと考えたこともない佐藤です。

アナタは『ノーベル賞が欲しい』と、
一度ても考えたことがありますか?
もし、ちょっとでも考えたことがあったら、
アナタはそれだけで凄い人です。

今年は日本人2人が"ノーベル化学賞"を受賞しました。
根岸 英一米国パデュー大学特別教授と、
鈴木 章北海道大学名誉教授。
なにやら「有機化合物の合成方法」と言う、
難しい研究での受賞なのだそうで、
何度新聞やテレビで解説を聞いても、
高卒の僕の頭では理解できないのです。
しかし、この2人の研究成果は、
医薬品の分野や、
テレビやパソコン、携帯電話の画面に応用されているとのことで、
もし、この研究成果が無かったら、
今の医療技術の進歩も、
情報社会の発展も無かったかもしれない。らしい・・・。
そう考えると、僕にもとてつもない研究なのだ。
くらいは理解できる。

そしてノーベル平和賞には、
中国の民主活動家・劉暁派氏(りゅうぎょうは)が選ばれた。
僕もテレビに釘付けになって見ていた1989年の天安門事件。
そこに参加し、共産党の一党独裁などを訴え続ける人だ。
しかも、天安門事件直後、
多くの活動家や思想家は海外に逃れたが、
この劉氏は中国国内に残り活動を続けていたらしい。
その189年には、
チベットの指導者ダライラマも「ノーベル平和賞」
を受賞している。

今回のノーベル賞の受賞者を見て、
ぼくなりにわかるのは、
ノーベル賞とは、
過去の実績を称えるものではあるが、
今後の世界の指針を示すものでもある。と言う事だ。

まずは、ここ数年続く日本人の受賞者は、
1994年のノーベル文学賞の大江健三郎さんを除けば、
化学や物理学、医学の世界から多数選ばれている。
これは、資源の無い日本と言う国が、
化学や物理、医療、そして物作りで立国していくことを、改めて問い直しているのではないだろうか。
化学、物理、医療、物作り、そして漫画、アニメ、映画、ゲーム、音楽などの、
まさに想像力が活きるサブカルチャー。
原子力、鉄道交通、上下水道技術、太陽光発電などの様々な公共的な技術。
エコ技術など・・・。
日本の資源は頭脳と技術に他ならない。

『一番じゃなきゃダメなんですか!?二番じゃダメなんですか!?』

と発言した政治家がいたが、
やっぱり技術は一番でないと、
世界が日本の技術を買ってくれない。
頭脳立国、技術立国。
戦後の復興はこの言葉が象徴している。
と僕は思います。

そして、中国と言う巨大国家。
間違いなく中国は世界の中心に存在しつつあります。
この中国と言う国は、
まだ、共産党を批判する文章を発表しただけで、
投獄される国なのだと言うことが、
今回の劉氏のノーベル平和賞受賞で、
世界中が知ることとなった。
1ヶ月前の尖閣諸島漁船衝突事件の報復とも受取れる、
"レアアースの日本への輸出禁止"
これには米国や欧州などを中心に、
中国に対する不信感が拡がっているらしい。
チベットの問題。
天安門事件の問題。
中国は人権について、ちゃんと対応しなければ、
本当の意味で世界の中心にいくことはできないだろう。

今回のノーベル賞は、
いや、よくよく見るとノーベル賞はずっと、
世界の進むべき指針を示してくれていたのです。

日本の進む道。
中国の進む道。
世界の進む道が、
平和で発展の未来に繋がっていることを祈るのみである。

では・・・。



佐藤広樹



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